≪NSA コメンタリーシリ−ズ NO.7≫


〜中性子科学〜

(社)日本原子力産業会議 原子力システム研究懇話会 編著
1999年6月29日発行
B5判 175頁
頒価 2,100円(税込み、送料別)


【目次】

刊行のことば
執筆者紹介

はじめに(向山)

第1章 中性子の基礎(中沢)
 1. 中性子発見
 2. 中性子の素粒子としての特性
 3. 中性子の波動的性質
 4. 中性子の粒子的挙動
 5. 中性子の磁気的性質など

第2章 中性子源
 1. 中性子源の変遷(渡辺、大山)
 2. 原子炉(藤田)
  (1) 熱出力と中性子束
  (2) 中性子束の空間分布とエネルギー・スペクトル
  (3) 照射炉
  (4) ビーム実験炉
  (5) 熱中性子と冷中性子の生成
  (6) 中性子導管
  (7) 研究炉の炉工学的側面
  (8) トリガー炉とパルス炉
  (9) 高速中性子源炉
  (10) 大学炉(中型・小型炉)の役割と評価
  (11) 諸外国における研究炉の状況
  (12) 中性子源としての研究炉の今後
 3. 核破砕中性子源(渡辺、大山)
  (1) なぜ核破砕中性子源か
  (2) なぜ陽子ビームか
  (3) 核破砕反応とは
  (4) 最適陽子エネルギー
  (5) 中性子収量の概略値
  (6) 核破砕中性子源の特徴
  (7) どのようなターゲット・システムが必用となるか
  (8) 液体金属ターゲット容器の技術的問題点
  (9) 原研5MW核破砕中性子源

第3章 中性子を用いた物質の観測
 1. 中性子の特徴(伊達)
 2. 物質科学への応用
  (1) 磁性体(遠藤)
    (1−1) プロローグ
    (1−2) 第1幕ー磁気を感じる中性子
    (1−3) 第2幕ー中性子による強磁性金属の鉄の研究
    (1−4) エピローグ
  (2) 中性子構造生物学(新村)
    (2−1) 何故、中性子構造生物学か
    (2−2) 中性子は生命科学研究のための重要なプローブである
    (2−3) 中性子構造生物学のための実験手法
    (2−4) 次世代中性子源に期待する
  (3) ソフトマテリアル科学(橋本、小泉)
    (3−1) はじめに
    (3−2) 中性子とソフトマテリアル
    (3−3) 高分子のモノマーの領域
    (3−4) 小角散乱の領域
    (3−5) 核スピンに注目した実験
 3. 産業への応用(森井、松下)
  (1) はじめに
  (2) 材料内部残留応力解析
  (3) 結晶構造解析
  (4) 磁気ドメイン観測
  (5) ソフト・マテリアルを対象とした研究例
  (6) まとめ
 4. 中性子光学(清水、海老澤、曽山)
  (1) 中性子光学とビーム制御の重要性
  (2) 中性子反射光学系の開発
  (3) 中性子屈折光学系の開発

第4章 中性子を用いた基礎物理の研究
 1. 原子核・素粒子研究そして宇宙物理研究への応用(増田)
  (1) はじめに
  (2) 重力、電磁気力、強い力、弱い力、そして空間と時間の反転
  (3) 物質の存在
  (4) クォーク間の弱い力
  (5) 超冷中性子の役割
  (6) 超冷中性子源
 2. 超冷中性子ーその発生法と利用の研究(宇津呂)
  (1) 超冷中性子の存在
  (2) 最初の観測成功
  (3) 超冷中性子発生装置
  (4) 基礎物理研究への応用

第5章 加速器駆動原子力システム
 1. 概論(代谷)
  (1) はじめに
  (2) 加速器駆動原子力システムの歴史
  (3) 核破砕中性子源
  (4) 臨界炉と未臨界炉
 2. 消滅処理(高野、滝塚)
  (1) 長寿命放射性核種の消滅処理サイクル
  (2) HLWの長期的な放射性毒性
  (3) 消滅処理専用システム
  (4) 消滅処理対象核種の分離・回収(群分離プロセスの研究)
  (5) 燃料/燃料サイクル技術開発
  (6) 陽子加速器開発
  (7) 今後の課題
  (8) まとめ
 3. 構想の歴史(高橋、滝塚)

第6章 材料研究
 1. 材料照射効果
  (1) 金属材料(菱沼)
  (2) 機能性セラミックス材料(野田)
 2. 新材料の創製
  (1) 金属材料(菱沼)
  (2) 機能性セラミックス材料(野田)

第7章 中性子応用技術(伊藤)
 1. はじめに
 2. 中性子利用元素分析
  (1) 中性子放射化分析(NAA)
  (2) 即発γ線分析(PGA)
  (3) フィッション・トラック年代測定法(FT)
  (4) アルファトラック・エッチング法(ATE)
 3. 中性子の医用利用
  (1) 放射性同位元素(RI)
  (2) ホウ素熱中性子捕捉療法(BNCT)
 4. 中性子ラジオグラフィー(NRG)
 5.まとめ



             【執筆者一覧】


                           (執筆順、敬称略)




はじめに   向山武彦(日本原子力研究所中性子科学研究センター長)

第1章 中性子の基礎
        中沢正治(東京大学大学院工学系研究科・工学部教授)

第2章 中性子源
        渡辺 昇(日本原子力研究所中性子科学研究センター特別研究員)
        大山幸夫(日本原子力研究所中性子科学研究センター中性子科学計画室長)
        藤田薫顕(京都大学原子炉実験所教授)

第3章 中性子を用いた物質の観測
        伊達宗行(大阪大学名誉教授、日本原子力研究所技術相談役)
        遠藤康夫(東北大学大学院理学研究科教授)
        新村信雄(日本原子力研究所先端基礎研究センター研究主幹)
        橋本竹治(京都大学大学院工学研究科教授)
        小泉  智(日本原子力研究所先端基礎研究センター強相関電子系中性子
                散乱研究グループ研究員)
        森井幸生(日本原子力研究所先端基礎研究センター主任研究員)
        松下裕秀(名古屋大学大学院工学研究科教授)
        清水裕彦(理化学研究所宇宙放射線研究所研究員)
        海老澤徹(京都大学原子炉受験所助教授)
        曽山和彦(日本原子力研究所中性子科学研究センター核破砕中性子
               利用研究室副主任研究員)

第4章 中性子を用いた基礎物理の研究
        増田康博(高エネルギー加速器研究機構中性子科学研究施設助教授)
        宇都呂雄彦(京都大学原子炉実験所教授)

第5章 加速器駆動原子力システム
        代谷誠治(京都大学原子炉実験所教授)
        高野秀機(日本原子力研究所中性子科学研究センター次長)
        滝塚貴和(日本原子力研究所中性子科学研究センター次長)
        高橋 博(米国ブルックヘブン国立研究所上級研究員)

第6章 材料研究
        菱沼章道(日本原子力研究所核融合工学部研究主幹・核融合炉材料研究開発
               推進室長)
        野田健治(日本原子力研究所企画室次長)

第7章 中性子応用技術
        伊藤康男(東京大学原子力研究総合センター助教授)